FAQ

医療法人関連

Q&A01

設立時の拠出額の最低基準はありますか?
H19年の医療法改正により、自己資本比率の要件はなくなりました。但し、業務を行うために必要な施設、設備又は資金を有している必要があり、それに見合った拠出額が求められます。現預金としては2ヶ月分以上の運転資金を有していることが目安です。
一人医師医療法人とはどういう医療法人ですか?
医師又は歯科医師が1人又は2人常時勤務する診療所を開設する医療法人を通称で一人医師医療法人と言います。社員や役員が医師又は歯科医師の1人だけで良いと言うことではないので注意 が必要です。
個人診療所の実績がなくても法人化できますか?
医療法人設立認可申請に、開業実績は問いません。しかし、医療法人の設立認可申請の審査のポイントは、設立しようとする医療法人が、開設する医療機関を長期安定的に経営することができるか否かを審査されます。
個人開業実績が2年以上あり、その経営が安定していて、法人化後も今までと経営内容の変更が予定されていない場合など、特定の場合には設立に必要な添付書類を省略できる場合があります。
医療機関の開設者の要件とは?
医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について(平成5年2月3日 総第5号・指第9号)により医療機関の開設者となるには以下の要件をクリアしている必要があります。
①医療機関の開設者になれるのは、営利を目的としない法人又は医師・歯科医師である個人
②開設者が医療機関を開設・経営する意思を有している
③開設者が、他の第三者を雇用主とする雇用関係にない
平成19年の医療法改正で何が変わった?
平成19年の医療法改正のポイントは以下の通りです。
●解散時の残余財産の帰属先の制限(医療法第44条第45項)
●医療法人の持分制度の廃止(既存の法人は経過措置として当分の間適用しない、ただし一度持分なしの定款に定款変更後は後戻り禁止)
●社会医療法人制度の創設(医療法第42条の2)
●役員・社員総会等の法人内部の管理体制の明確化(医療法第46条の2~第49条の4)
●事業報告書等の作成・閲覧に関する規定の整備(医療法第51条~第52条)
●自己資本比率による資産要件の廃止(医療法施行規則第30条の34)
●付帯業務の拡大
●社会福祉事業の範囲について必要な見直し(医療法第42条第7号)
●有料老人ホームの設置(医療法第42条第8号)
●基金制度の創設(医療法施行規則第30条の37、第30条の38)
医療法人のできる業務とは?
医療法人のできる業務は医療法で定められています。医療法人で行う業務は全て定款に記載されて(登記されて)いる必要があります。附随業務として認められる業務以外の業務で定款に記載のない業務は行うことができません。

【本来業務】(法第39条)

病院、診療所又は介護老人保健施設の開設

本来業務を行わない医療法人は認められない

 

【附帯業務】(医療法第42条各号)

医療法人は、本来業務に支障がない範囲で、訪問看護ステーションの開設や介護関係など一定の事業を行うことができる。
※医療法人の附帯業務について(平成19年3月30日 医政発第0330053号)

 

【附随業務】開設する病院等の施設内で当該病院等に入院若しくは通院する患者及びその家族を対象として行われる業務又は病院等の職員の福利厚生のために行われる業務であって、医療提供又は療養の向上の一環として行われるもの。

例としては、病院内の売店、病院の敷地での有料駐車場

医療法人の理事長個人と医療法人の取引に規制はありますか?
医療法人の理事長個人と医療法人との利益が相反する取引については、理事長には法人の代理権がなく特別代理人を選任して取引に関与させる必要があります(法第46条の4第6項)。
但し、利益相反行為とならない場合は必要ありません。
例)医療法人に対する無担保、無利子での金銭の貸付、医療法人への現物出資
※医療法人の役員及び家族、社員、従業員、顧問弁護士、顧問税理士等は特別代理人として選任することはできません。
広域医療法人とは何ですか?
2つ以上の都道府県に医療法人の本来業務(病院・診療所・老健施設)を開設している医療法人を、通称で広域医療法人と呼んでいます。
よく広域医療法人の認可をとりたいとのご相談を受けますが、広域医療法人の認可という手続きはありません。一つの都道府県でのみ本来業務を開設していた医療法人が、新たな診療所などを他都道府県に開設するための定款変更認可申請をしてその定款変更が認められる事によって、認可権者が都道府県知事から国(各地方厚生局長)に変わります。
また、本来業務の開設場所によって判断される為、附帯業務をいくつ都道府県をまたがって行っていても、本来業務が一つの都道府県内だけであれば、認可権者は都道府県知事のままとなります。
基金制度とはどういう制度ですか?
持分の定めのない社団医療法人の活動の原資となる資金の調達手段として、平成19年の医療法改正時に基金制度を採用することができるものとされました。
基金として拠出された金銭その他財産は、医療法人と拠出者との合意で定めるところに従い返還(但し、金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価格に相当する金銭の返還)義務を負います 。
基金には利息を付けることはできません。また、基金は残余財産に含まれません 。
拠出者への返還は拠出した当時の額が限度となります。
定款等の変更認可が出るまで期間はどれくらいかかりますか?
 東京都の認可法人の場合、定款変更の仮申請から認可までの期間はおおよそ2ヶ月位が目安です。ただし、仮申請での事前チェックのやり取りにどれ位時間がかかるかによって認可までの期間が変わってきます。
事前チェック後、本申請を受理されてから認可まではおよそ2週間です。国認可の法人の場合、認可までプラス1ヶ月必要になります。
また、合併認可、理事長特例選任認可等の場合には医療審議会の審査が必要になるため東京都での認可の時期はは年2回8月と2月のみとなります。
毎年度の決算後の事業報告の提出期限は?
毎年度の事業年度終了後3ヶ月以内に提出することが義務付けられています。提出しない場合には法令上は過料の対象となります。
決算が赤字ですが何かペナルティはありますか?
決算が赤字であってもペナルティがある訳ではありません。但し、医療法の規定により行政庁は医療法人の運営が適正を欠くと思われる時にはいつでも報告等を求めることができることになっている為、赤字が何年も続いている場合や急激に大幅な赤字となった場合などには、状況の説明や今後の事業再建計画の提出を求められることがあります。
1つしか無い診療所を廃止・休止したいのですが?
診療所(本来業務)が一つも無い定款変更認可申請は受け付けられません。また、営業している診療所が一つもない状態が1年以上続く場合には、医療法人の認可が取り消されることがあります。
理事長以外の役員の住所変更も届出が必要ですか?
医療法人の役員は全て届出の対象です。理事長以外の理事や監事の住所・氏名等が変わった場合にも変更した事項を届け出る必要があります。
理事長が他の医療法人の理事長を兼任することはできますか?
医療法上は就任できないとの規定はありませんが、あまり好ましくありません。認可庁からは兼任状況を解消するよう指導を受ける場合があります。
理事が他の医療法人の理事や監事を兼任することはできますか?
現法人の理事としての運営に支障が無く、責任をまっとう出来るのであれば兼任することはできます。
出資しない者が社員になれますか?また議決権はありますか?
定款に「出資が社員となる要件」と定められていなければ、出資することと社員になることは別です。出資していなくても社員になることができます。また社員の議決権は出資の額に関わらず、一人1議決権で平等です。
営利法人が医療法人に出資することはできますか?
出資することはできますが、社員になれるのは自然人だけとされているので法人は社員になることは出来ません。
また、出資持分の払戻請求が出来るのは社員が退社する場合と医療法人が解散した場合だけですので、社員でない営利法人の出資は実質的には寄付と同じようになります。当然、議決権を行使することも出来ません。
管理者を変更した場合に手続きは必要ですか?
管理者を変更した場合には、診療所の場合には保健所に、介護老人保健施設の場合には介護保険課事業者指定係に届出が必要となりますが、医療法人の管理者は理事になる必要がある為、医療法人係にも理事の変更届けを事前に提出する必要があります。
また、管理者を辞めた理事の代わりに、既に理事である者が新たに管理者になる場合にも、医療法で管理者である理事が管理者を辞めた場合には、理事も失職するとの規定がある為、管理者であった理事がそのまま理事に残り任期が変わる場合には、同じように理事の再任の変更届けが必要になります。
医療法人の建物(建物の一部)を賃貸することはできますか?
医療法人は定款に定められた業務のみしか行うことは出来ません。不動産を賃貸することは一般の医療法人では医療法人に認められた業務以外の収益業務となるため行えません。
社会医療法人の場合には、一定の範囲内で収益業務を行うことが出来るので、不動産の賃貸を行うことも可能です。